第5章 されど女は強い ④ セクシュアル・ハラスメント 099P
昭和六十年に男女雇用機会均等法が制定され、裁判では労働条件における各種の男女差別を不合理とする判決が相次いだ。
そうしたなかで、働く女性の間から叫ばれたのが「セクシュアル・ハラスメント」、いわゆるセクハラと呼ばれているもので、その意味は「女性に対する性的虐待やいやがらせ」である。
しかし、その概念が今一つはっきりしないところに、肝心の現場では、これが高じて日常業務に支障が出たり、ギスギスした人間関係に陥っている。
もとより、女性の立場として、職場でスケベ男どもを排除するという狙いは理解できるが、裁判で争うような、労働条件を男女平等に取り扱うという目的なら、その本質や実態というものをきちんと見極めないと、労使双方がとんだ犠牲を強いられることになってしまう。今はすっかり影を潜めている労働組合がそうであるように、働く者と使う者との利害関係をはっきりしないまま、いたずらにギャーギャー騒ぎ立てていると、やがて世論の逆風にさらされてしまうというものだ。
皮肉にも、その労働
続く・・・
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