書籍紹介

第5章 されど女は強い ② 女はしたたか 089P

「そんな男を選んだ自分がバカだった」と諦めてしまうのが、現実の姿というものである。

それを理解しないまま、ワイドショーなんかで声高に言う、評論家などの言葉をまともに受け止め、「母子家庭は周りが、温かく見守ってくれる」なんて幻想を描いていると、とんでもない落胆や後悔に陥ることになりかれない。

S子さんにしても、弁当屋で働いて稼ぐ収入と、行政当局から三ヶ月単位にまとめて支給される、児童扶養手当、これにしても月額5万円にも満たず、この総額で家族二人がアパート生活をすることは並大抵ではない。

かといって、再婚を願望しても、こちらから物欲しそうに男に色目を使うなどは、自負とプライドが許さない。

その一方で、これまで言い寄る好色な男たちには、弱みを見せまいと、頑として一蹴してきた。

しかし、そうした表の顔とは裏腹に、「もうラブロマンスを夢見る時代は、私には過ぎ去ったのか」と考えながら、ついついマイナス思考に陥って、寂しさが込み上げてくる。

そんな時に、ふっと思い浮かんでくるのが、貧しいながら温もり

続く・・・

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