第4章 現代女性の悩み ⑤ 女性が働くということは 076P
金沢市郊外の河北潟近くにある、才田町にこんな子守歌が伝えられている。
♪泣いてくれるな、親ない子ども
親はござれど、極楽に……
この歌の最後の伝承者といわれた、Nさんが「小学校へ行くような子供は、みんな下の子どもを”おぶって”子守をさせられたもんや、泣くほどつらかった……。昔の農家は口減らしのことばっかり考えとった……、ウラも十四歳で金沢に奉公に出た。ほして十九歳で……結婚。才田の田んぼは潟ぶちやさかい、腰まで泥につかっての仕事やった」と地域の生活実感を話していた記事を、何かで読んだ記憶がある。
愛唱歌である、熊本県五木村の
♪おどま(私は)盆切り盆切り(盆が来るまで)
盆から先ゃおらんど(先はいないぞ)
盆が早うくうりゃ(来れば)早う戻る(故郷に戻れる)
と歌われる「五木の子守歌」も、実は子守奉公の娘たちの哀歌である。
飛騨の「野麦峠」に伝えられている女工哀史も、年齢十二、三歳の幼い少女たちが、家計を助けるため、雪深い峠を越して働いたのだ。
「ワーキング・ウーマン」とか「キャリア・
続く・・・
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