第4章 現代女性の悩み ② 結ばれない愛の運命もある 066P
く結納がなされるという。
ところが、M子さんには、以前から付き合っているC男(32歳)さんがいて、最後の決心がつきかねていた。
それもそう、C男はそこら辺りに見るような軽薄な男と違って、まじめ一筋で堅物といわれるほどの実直型であるが、ただ病弱の母親と二人で市営アパートに住むという、家庭事情がある。
それをコンプレックスに抱き続けているのか、なかなか男の口から本心を切り出そうとしない。
人から見れば、実にたわいない光景かもしれないが、当のM子さんにしても、「彼の優しい愛さえあれば、今後どんな苦労でも……」などと学生時代の甘酸っぱさから、現実というものをしっかり見つめる、大人に成長していて、決心がつきかねていたのだ。
「これから先、豊かな愛を育むだけの自信があるだろうか?」
とゆれ動く心理……、いずれにしても選択し、ゴーサインは自分で決めなければならない。愛する男とは結婚できない定めを見据えて、
「そろそろ、彼から引かなければ!」
と答えを出すものの、それでもC男への想いを断ち切ることができない……。
そんな、
続く・・・
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