第3章 移り行く女性像 ⑦ 新しい時代 053P
古い時代が急速に崩壊していく……。
同時に日本中の都会や町、そして村から、復興の逞(たくま)しい掛け声と建設の力強い槌音がこだまする。
中でも、農地改革と女性解放は、それまで、独り歩きできなかった小作の百姓と女性の生き方を、度肝を抜くほどひっくり返して、それは凄かったのである。
これまでような理不尽な男尊女卑社会から、アメリカ型の男女平等にひっくり返り、それまで男性の前で、何もいえなかった女性が、急に自信を取り戻し、その一方で男性の方が自信喪失に陥った。
私の亡祖父なんか、それまでバアさんを呼ぶのが、「にゃーにゃー」か「あんにゃま」(妻の意味)で、ちょっと機嫌でも悪ければ、「おどりゃ」(貴様の意味)か「おんどべ」(お尻の意味)の呼び捨てが、ちゃんと名前を呼ぶようになったのだ。
一方、祖母の方も、「さん」まではつけてもらえなかったが、「いやわいねー、うざるかしい、」(はずかしいの意味)と動揺していたくらいである。
こうした中で、女性たち
続く・・・
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