第2章 石川の女性 ④ 加賀の特性 030P
を嘆いているのがこの地であろう。しかし、その逆境にひたすら耐えて、新たな夢と期待を抱かせてくれるのもこの地である。
若者たちの間で、「とんで、とんで、回って、回って……」と歌われた時代があった。
その頃、「翔(と)んでいる女」という言葉が流行だしたが、今の俗世では、蝶のように甘い蜜を求めて飛び回る、いわば「軽い女」の代名詞として使われるようになり、相手からみれば「翔んで火に入る虫」である。
そんな女たちがひき起こす、テレビや雑誌を地で行くようなトラブルが、ここではしばしば見られる。
人の出入りや交流がさかんであると、当然人と接触し対話する機会が多くなり、ついつい表面だけで相手を判断するので、そこに誤信や妄信が生じてしまう。
そこで、ちょっと摘み食いをしたくなるのも分からない訳ではないが、しかし、逢えば好きになり、好きになれば逢いたい想いが募る、これが女の生理というもので、やがて蟻地獄にはまり、とり返しがつかなくなる。
思えば、高度成長で社会全体が豊かになり、何かと女性の自由を縛ってきたタガが緩み、女にも自由に外へ出ることが許
続く・・・