第2章 石川の女性 ③ 金沢の特性 025P
県都金沢とその周辺は、地理的にはほぼ中心に位置し、一極集中的に人口が増加しているが、明治に市制となったころは、全国四番目の人口を有していたという。
まざまざと、日本の裏側というハンディを見せつけられるようである。
古い街並みと緑の豊かな町には、加賀藩めかりの文化遺産がいまも息づいている。が、関東、関西、近畿とほぼ等距離を保ちながら、昔も今も全国に誇れる産業がなく、どちらかいえば生活全体が消費型といわれてきた。
唯一誇りとするのが、「京都に次ぐ伝統工芸」であるといわれるが、しかし、伝統工芸に代表される、友禅、象眼、蒔絵(まきえ)、焼き物、漆などといった文化は、もともと京都からもたらされたもので、前田家という絶大なオーナーの保護のもとで開化した、いわば移入文化である。
いくら郷土に根付いた伝統技術といえ、今は自力で販路を開拓しないと、衰退してしまうという、厳しい試練に
続く・・・