第2章 石川の女性 ② 能登の特性 023P
たことがうなずける。しかし、今は半島が地理的ハンディとなり、若者たちがこの地を見捨てるようにして、都会へ去っていく姿をみると、地盤沈下で日本海に沈むような感じがしてならない。能登の若衆が、往時をいつまでも懐かしがるようにして、いくら盛大な祭りをやっていても、「後の祭り」というものだ。
ここら辺りで、バントやスクイズで小刻みに点を稼ぐより、能登のゴジラが火を噴いて、松井のように思い切ってホームランを狙うべきであろう。
よく、よそ者がこの地をさあっーと舐めながら、「能登には、失われつつある、日本の美しい自然と人情がある」とまことに聞こえのいい言い方をするが、しかし、現代の生活から見れば、開発の遅れと旧い風土に過ぎないのである。
表面を「夢や葉」やと見過ぎると、根の部分を見誤ってしまうというもので、実際、能登の女性たちは厳しい自然環境の下で、残されたお年寄を守りながら、男性と肩を並べる重要な家計の担い手となっているのである。
その姿を端的に表現する言葉に、「とと楽」と伝わる言葉があるが、「とと(夫)に
続く・・・