書籍紹介

第2章 石川の女性 ② 能登の特性 022P

私の目には、地形があたかもゴジラのように見える、日本海に突き出た能登半島。

その姿は、内浦に沿って七尾方面が下顎、能都から珠洲にかけてが上顎で、大きな口を開けて能登島を丸呑みし、そして、外浦の輪島が頭頂部であり、能登金剛から千里浜にかけての緩い海岸カーブが背中の部分、穴水辺りに位置するギョロ目が、日本海から遠く大陸まで睨みつけている。

この地は、かつて外浦の福浦港が大陸との交易で大いに富をもたらし、七尾港は天然の良港として北前航路の寄港地で賑わった。

沿岸の各漁港には、いつもどこかであの勇壮な桐子をかついで、「イヤサカサッセー、イヤサカサッセー」という、町がいつまでも栄える意味の「弥栄(いやさか)」の声が響いたという。

その歴史が示すように、平家と太いパイプで結ばれていた平時国邸が、今なお往時をしのばせている。

越後の上杉謙信が、加賀・金沢よりも、豊かな能登に軍を進めて制圧した。

前田利家が、石川県内に入り、最初に居城を構えたのも七尾である。

こうしてみると、その昔は能登一国として、繁栄と財をなしてい

続く・・・

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