第6章 こんな女は問題だ ④ 安易な借金癖 142P
免責になる例が多いのであるが、そのことはわざわざ暖昧(あいまい)にしておいた。
こうして、S子さんの相談を終えたが、こちらも何か暗澹(あんたん)たる思いで、その後ろ姿を見つめていた。
というのは、私の経験から、彼女のような状態にいったんハマってしまうと、一種の病のようになって、お金を借りるという緊張感や抵抗感、返済することへの恐怖感や挫折感が喪失してしまうことがあり、そのことへの危惧(きぐ)があった。
悪い言い方をすれば、体に「借金魔」が棲(す)みつくと言うべきであろうか、仮にこの問題が解決したとしても、よっぽど強固な意志を持ち続けない限り、いつか、どこかで病が再発する。
例えば、それが仮にサラ金でなくても、周りに必ず一人や二人見るような、親戚や知人、友人などから、迷惑もおかまいなしに借りまくって、「ああそうでしたね。はい、はい、分かりましたよ」と一向に返済する気持ちがなくても堂々といられるような、結局は人間性の貧しさを見せつけることになるのだが、そんな実例があまりにも多いからである。
続く・・・
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