第6章 こんな女は問題だ ③ 売春の行きつく先は 131P
売春防止法が施行され、一説によるとこれらを管理していた警察当局が、芸妓(げいぎ)と娼婦(しょうふ)の商売範囲を区切るため、地図上に赤と青色の蛍光ペン、いやエンピツで線引きしたから、そのように呼ばれたという。
そして、芸妓は「青」で安全であるから、旦那衆や文化人らに、三味線、舞、謡曲、琴などで遊び相手になり、一方娼婦の方は「赤」で危険であるから、地下に潜って春を売る、いずれにしても風俗街であったのである。
私のような年代層なら、それがつい最近のような感覚であるし、街並みやそこに生きる人らも、どこか後ろめたい、世間をはばかるような印象があった。
しかし、時代の流れはこの古い街並みを谷間のように包み込んでいき、歓楽の場も近大化した繁華街へと多様化しながら拡散してしまった。それが今になって金沢らしい個性と古い文化の建物という表現で、生まれ変わろうとしているから、なんとなく相矛盾するような複雑な思いがする。
世の
続く・・・
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