書籍紹介

第6章 こんな女は問題だ ③ 売春の行きつく先は 130P

金沢市街を東西に挟んで流れる浅野川と犀川の、いずれも渡って少し行った一角に、古都の風情が漂う紅殻格子と石畳がそのまま保存されている町並みがある。

江戸時代から、「東・西の廓(くるわ)」とも「ひがし・にし茶屋街」とよばれた花街で、シーズンになると観光客が押し寄せる。

加賀藩が、点在していた茶屋をこの川の両岸一角に集めてできたと伝えられ、建築物はいずれも明治初期までに建てられたものが、そのまま残っている。

その「ひがし茶屋街」の方は、平成十三年十月に石川県内では初の「伝統的建造物群保存地区」に選定された。

それと歩調を合わせるかのように、市民の間に「茶屋文化」を継承しようという動きも出てきている。

ところがである。現代っ子には分からなくなったようであるが、まだ五十年にも満たない昭和三十三年までは、ここが男たちにとって一夜の享楽の場であったのだ。

往年にとっては、「赤線」「青線」と呼んだ方が余韻があるが、この年、

続く・・・

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