第5章 されど女は強い ④ セクシュアル・ハラスメント 101P
別があるのもしかたがないことだ。
その一方で、時代の流れはますます女性の労働力を必要としているので、好むと好まざるとにかかわらず、女の雇用を前向きに考えないと企業は取り残されてしまう。
そうした中で、A子さんとB子さんは共に26歳で社歴は同じく、女性社員十人を抱える建築不動産業、とはいってもローカル企業で自社ビルまで所有しているとなれば、りっぱな中堅企業と呼ばれる存在の、会社に勤めるOLである。
A子さんは、とりたて美人でもなければ、かといってブスといわれる器量でもない、どちらかといえば、仕事は几帳面であるが特色がないため、おもしろ味のない女性である。
対照的に、B子さんは、派手な化粧とミニのスカートからすらりと伸びた足だけでも、来客を振り向かせる魅力をそなえており、趣味はトンボのような大きな羽根にぶら下がって空中遊泳をする、あのスカイ・グライダーというから、まさに「翔(と)んでいる女性」である。
さて、不況の嵐はこの会社にも容赦なく押し寄せている。
続く・・・
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