第7章 女の目から見た男たち ② 男の後ろ姿 156P
どを、見せなければならない。
とはいえ、戦後経済成長を生き抜いてきた企業戦士であっても、誰にも弱音や不安という心の底にある姿を見せないようにと、がむしゃちに働いてきたといえないだろうか。
「男は強く、女は弱い」と時代の常識?に支えられながら、輝けば叩かれ、弱みを見せれば思うつぼと……。
しかし、実際はひと皮むけば、中身は誰もが百八の煩悩をかかえ、矛盾に苦しみ、劣等感にもがいている。
つまずきそうになったり、転びそうになったりするたびに考え、そして、自らの問いに結論がでなくても、そのたびに免疫のようなものができていく。
にもかかわらず、次から次へと、新しい問題にさらされる。
生きているかぎり、もう何も問題はないということにはならない。
それを男は我慢だ辛抱だといって、なんとか、体面だけは取り繕っていただけのことではあるまいか。
それなら、いっそのこと、「ああー、俺は弱いんだ。だからどうだっていうんだ」と禅僧「良寛」のように開き直ってみては……。
ところが、それでは男としてこの世に生きていけないのである。
だから人前では啖呵(たんか)を
続く・・・
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