第6章 こんな女は問題だ ④ 安易な借金癖 141P
情が和らぎ安堵(あんど)したようだ。
それも束の間で、こちらは次なる肝心の部分をピシッと押さえておかなければならない。
つまり、破産宣告だけで借金がすべて帳消しになるのでなく、もう一つのハ一ドルをクリアしなければならないのであり、「免責」といって、その決定がなければ、すべてての借金の帳消しにはならないのである。
「あなたの場合、若いから、借金の全部が帳消しになるとは限らないわよ。裁判官が『これから働いて少しずつでも返済しなさい』と決定すればそれまでなのよ」と言われて、再び不安がよみがえったのであろうか、「これからも借金を、支払い続けなければならないのですか?」とその表情には動揺が隠し切れない。
それは彼女にしてみると、先の見えない完済日まで借金を背負うかどうかの瀬戸際で、深刻な問題である。
しかし、見方によれば、彼女のように返済の見込みがないのに、不相応な借金をこしらえ、いざとなると開き直って自己破産をする、実に虫のいい話なのだ。
それでも、実際は裁判所が本人の更生を期待しての温情なのか、
続く・・・
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