第3章 移り行く女性像 ③ 武家社会 038P
なにしろ「家」というものを、最大限に考えた時代である。
同じ血筋が大昔の祖先から、現在に至るまでずっと続いており、さらに、未来の子々孫々にも延々と伝わって行くはずだ、と信じられていた大家族集団。
こうした時代に生きた女性は、今の時代では、「エッー、ウッソー。それって、ホントー」と思うことばかり。
江戸時代の有名な儒学者が、女の教えを説いた「女大学」という有名な本が残っていて、そこには
「妻にとって、夫というのは、ただの人間じゃない。神様であり、天地万物の造物主であり、夫が他に女を作ったからといって、焼き餅(もち)を焼くなどは、とんでもないことである。女は、ただひたすら夫に忠実に従っておればよい」
と記されている。
もっとひどいのになると、「男子を生めないような女は、家にふさわしくないので出ていくこと。妻を娶(めと)るのは、家系存続のためである。しかし、妾(めかけ)に子供ができた場合は、離縁しなくてもよい」ということだから、もうむちゃくちゃでしかない。
その儒教が、もう崩壊
続く・・・
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