第1章 北陸の女性 ④ 宗教性が宿す人間性 017P
が用いると一層自らの美しさとイメージを引き立てるというもので、ブランド化粧品そのものである。
だんだん口から消えつつあるとすれば、女性たちにとって高級化粧品を捨て去るようなもので、実に悲しむべきことだと思う。
こうした傾向のなかで、金沢大学の医学部非常勤講師を務める、異色の僧りょ池口恵観氏が、
「本来、教え導く行為は、自由気ままに生きようとする犬に、無理やり首輪をつけて叩き直すようなもので、生易しいことではない……。自堕落な生活をしてきたツケを清算させ、礼儀作法や人への気配りを叩き込み……、苦しい修行を繰り返し、お互いに信頼関係が築かれるころには、どんな悪人でも、規則正しい生活になじみ、立ち直る兆しを見せ始める……」
と言っているが、身につけた正しい生活態度を取り戻す、その修行の厳しさというものがなんとなく想像できるようだ。
ところが、北陸の土壌にはことさら厳しい修行というものを意識せずして、日常生活で自然に身につけるものが根付いているとしたら、その歴史や伝統に報恩感謝を忘れてはならないというものである。
続く・・・
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