書籍紹介

第1章 北陸の女性 ③ 自然が育んだ女性像 014P

っていたので、外には同じように追い出された近所の仲間がいた。「子供は風の子」とは名ばかりで、結局家におれなかったのである。

そのため、路地の広場、寺社の境内、自然の山や川、みんな遊び場にして、ちゃんと遊びを伝授してくれ、「アッツィ(暑い)」「チブタィ(冷たい)」などと言い合って、遊びこけたものである。

それが子供らに、知恵と積極性を育み、友との友情や連帯感を自然に育ててくれたのである。

と、あの子供の頃の情景を思い起こして、懐かしみながら、北陸人に欠けている前向きな思考には、「自然をありのまま受け入れて、もっと外で充実した時間を過ごせば……」と言い聞かせるのだが……。

でも不思議だ!そんな時に限って、なぜか私の太った体がかってに炬燵(こたつ)に深く潜行していき、やがて両まぶたに重圧がのしがかってくる。

続く・・・

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