第6章 こんな女は問題だ ③ 売春の行きつく先は 133P
なる女房に愛を集中できるなどと単純な理想でもなかったであろうが、作家の佐藤愛子さんも言っているように、女の正義とは、「後は、誰がどうなろうと知ったことじゃない」であるから、現実というものを視野に入れておらず、その結末が今になって、まさかの「高いツケ」として降りかかっているのだ。
皮肉にも、今は売春が病原のようにして、人妻から女子大生、やがて高校生に移り、恐るべき中学生までが大人の色香宣言のようにして「援助交際」などと、社会に蔓延(まんえん)してしまったのである。
思い出すのは、金沢に石坂と呼ばれていた旧赤線地区があり、今でもロウソクの火のように細々とその筋の商いを続けているところがある。
そこで昭和30年代から40年初め頃にかけて、暴力団の夫を持ち、何人かの女を束ねながら、「お兄さん、いい娘がいるわよ!」と華々しくやっていたT子さんのことである。
彼女とある事件が縁で知り合うことになり、なんとなくのぞい
続く・・・
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