書籍紹介

第5章 されど女は強い ② 女はしたたか 088P

出て行った、あの光景とダブッて見えるようでもある。

弁当屋でパート勤務の、S子さん(35歳)は、離婚体験者である。

ご多分に洩れず、若さのいたりで理想をイメージし過ぎての結婚で、女の予をもうけたが、現実はやさしさだけが取り柄で、生活力のない夫に見切りをつけて離婚を決意した。こちらから男を捨てた以上、慰謝料を請求できないのはもちろんのこと、財産分与にしても、S子さんの結婚前の蓄えさえ、生活費の不足に費消してしまっているようでは、どうにもならないというものだ。

また、そんな男から、養育費などもアテにできない。いや、そうでなくても調停や裁判で決定した養育費さえ、きちんと支払おうとしない男らが、実際どれほど多いことか。定職のないものが、無い袖は振れないと開き直ったり、先々男の方が再婚でもすれば、闘いに新たな女が加わってきて、「別れた女房と、いったいどっちが大事なの」とけしかけると、大抵の男は出したくても、出せなくなるというものだ。

そんな泥沼をいつまでも引きずって、金と時間を費やすよりも、

続く・・・

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