第4章 現代女性の悩み ② 結ばれない愛の運命もある 067P
男に対して、はじめて女のロから「あなたと結婚したい」と言ったのである。この言葉は、たとえ冗談めかして言ったとしても、女が男に対して結婚を口にするとき、そこには本気の気持ちが多分に含まれているというもの。
その言葉を真に受けて、返答に困るC男に、M子さんは「冗談よ……」と笑ってごまかした……。
こうして、苦しい恋の最中に、女はときにやるせない本心を、冗談めかして男にぶつけ、そして強がりを言うこともあるのだ。
いくら愛の存在が見えても、本当にそこに真実の愛があるかどうかは別の問題であり、そして、そんな微妙な女の心理を、自分で励ましてゆくしかないことだってあるというものだ。
その存在すら知らずに、「生まれたときから結ばれていた……」という「赤い糸」の運命もあろう、が、結ばれず途中で切れるものもあるのだ。
いや、現実は後者の方が多いのである。
その糸が切れたあとは、いくら激しいふたりの思いであっても、やがて時間とともに静かな流れに戻ってしまい、いずれ忘れ去ってしまう、それが人の情であり、運命というものである。
続く・・・
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