第3章 移り行く女性像 ③ 武家社会 039P
してしまったような現世では、なかなか理解できないかも知れないが、しかし、往時の女性らは、儒教は人の「道」を説くものとして、道徳として学び、思想としていたのである。
余談であるが、今でもお隣の中国や韓国では、その思想が根強く残っているから、国際結婚では十分心しておかなければならないと思う。
こうして大家族集団ができると、一門の繁栄のために全体を統率する「家長」というのが必要となる。
その家長の権力は強大で、家族は絶対的に服従しなければならない。
たとえ母親が、自分の娘を、隣村の働き者の男と結婚させてやりたと思っていても、寒長のジイさんや夫が「ダメだ」と一蹴(いっしゅう)すればそれ切りである。
そして、命令されるまま道楽者の庄屋の息子盆蔵(ぼんくら)に、
♪生まれる前から、結ばれていた
そんな気がする、紅の糸……
とあきらめて、泣き泣き嫁がねばならないのである。
結婚した後が、これまた大変で、「血は尊し、されど血の尊さは男の血でなければならない」という訳だから、嫁ぎ先の長老
続く・・・