書籍紹介

第1章 北陸の女性 ① 土地に根付いた人柄 006P

ばならない。

特に、石川県人には対して何かと対抗意識があるので、うっかり「越中さ!」なんて蔑んだようにいうと、あの田中角栄でさえ、ロッキード疑惑で恐れをなしたという、「蜂の一刺し」に気をつけることだ。

総じて、平素は極めて質素でありながら、冠婚葬祭になると人見えをはり、あの引出物のでっかいカマボコの鯛なんかは、その大きさによって格式を競うなんて聞くと、いくらメデタイといえ、「越中から嫁をもらっても、嫁に出すな」とつい口に出てしまう。

福井県人は、曲線的思考で人当たりがよい。

歴史や文化を見ると、昔から京都・近江の影響が大きいので、言葉や物腰が柔らかく、ひとつ道を尋ねても懇切丁寧で、その情のこまやかさに感激することもしばしばである。人との争いを好まず、和合を尊しとし、一歩へりくだって、念を押すような「……での」の口調は、相手を煙に巻くようで、その気がなくてもついつい相槌を打たせてしまう。良くも悪くも

続く・・・

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